住宅型有料老人ホーム 愛和

群馬県太田市で、木造平屋建てのデイサービスを併用した住宅型有料老人ホームを計画しました。
建主さんの要望を整理してみると、介護浴室や十分な広さの静養室を想定したデイサービスが併設され、なおかつ計30床の居室、その数に対応できる食堂や厨房、職員室や管理室などの諸機能が必要となるため、計画当初から大面積の建築物になることが予想されました。そのため提案時では、大規模での構造要件や防火等の要件への対応が容易である鉄骨造での計画を視野に入れていましたが、計画敷地の大きさに十分なゆとりがあること、周囲を戸建住宅に囲まれていること、また、これから居住される方々のことを鑑み一般住宅で採用されていることが多い木造を採用し、平屋建てとして周辺に圧迫感を与えない、高さを合わせた計画としてスタートさせました。
木造平屋建てであることから、平面が広がった横運動の多い施設となるため、内部動線の計画は極力シンプルに、凹凸をなくし、広い平面でありながらも移動がスムーズに行えるように配慮しました。また、明るいイメージを先行させ白一色とするのではなく、要所に様々な”色”を散りばめ、「私の部屋は○○色のとなり…」「食堂は○○色のむこう…」など、その色が認識機能の補助として働くように計画をしています。こうした視覚情報のみではなく、触覚にも訴えることができるよう”ざらついた”壁や”つるっとした”建具などを要所に採用し、全体として、明るく清潔なイメージを崩さないよう気をつけながら、バラバラな視覚や触覚の情報を統制しました。